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日本人が木目を思うとき一番先に思い浮かぶのが欅の木目だ言われています。親しみをもって語られ、喫茶店や通りの名前にも「欅」がよく使われます。江戸時代から現代にいたるまで大黒柱を初め木造建築の構造材として、また床回りや扉、縁側の床にいたるまで堅牢で美しい木目が日本の家を潤いあるものにしてきました。かつては華麗な手打金具に彩られる箪笥や京水屋、納戸の材料にも良質の欅が求められました。お椀やお盆はじめ様々な漆器や生活用品の素材としても欅ほど活用されているものはありません。 私達にとっても一番長く付き合っている材が欅です。現代にあってはこの堅牢で漆との相性もいい欅にはどんな用途がふさわしいのでしょう。幸いにも原木から取り扱っているためその様々な表情がいつも身近にあります。たとえば「瘤の器」と名付けた根株の一部を素材にした器はそのフォルムを素材にまったくゆだねたものです。どんな匠の技もこの天然の巧まざる造形をなぞることはできません。数百年の時間が生命に与えた形です。
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