おかや木芸 桜 特集
とき 3月16日(土)〜20日(水•祝)
ところ おかやギャラリー
花のたよりの嬉しい季節になりました。 今年、おかや木芸は「出雲黒柿」「栗乃舎」に加えて、桜材の魅力を引き出すクラフト、インテリアに取り組んでいきたいと考えています。今後、薄作りのお椀や皿、酒器、文具なども順次発表いたします。 「願わくば花の下にて春死なん ときは如月の望月の頃 西行法師」 桜は日本人にとって最も大切な木とも言えます。上品な薄紅色、散り際の潔さ、人の生き方にも通じる花の様子を好ましく思う日本人の多い事は言うまでもありません。 一方、桜材は非常に粘り強い木質で、摩滅にも強い性質です。それゆえ、浮世絵の版木はすべて桜が使われています。たとえば細い髪の一本一本が描かれ、彫師によって繊細な線が彫り残されますが、それを何度も何度も刷り師がバレンで擦っても、桜ゆえに摩滅がほとんどありません。また、冬目、夏目の際がないので擦った時に目が切れることがありません。引き戸の敷居もまた桜が適しています。ささくれることもなく、いつまでも滑りよく襖や障子が上を滑って行きます。この緻密な木質はたとえば高級ギター制作にもかかせません。 私どもは、日本の木にこだわり、先人が磨いてきた木材毎の活かし方を継承し、現代の道具にその知恵をいかせないかと考えています。皆様のご理解とご支援をお願いする次第です。 岡英司